
ごま油の香りに誘われて、石頭火鍋 『石頭楼(スウトウロウ)』
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「近くまでくれば、ごま油の香りがしてくるから、どこだかすぐにわかるわよ」。私が初めてこのお店に誘われたときに友人から言われたこの台詞を、今では私がそっくりそのまま使わせてもらっている。「石頭楼(スウトウロウ)」は、ほとんどメディアで紹介されることのない、“紹介制”というクローズドなお店である。お店とはいえ、住宅街にあるごく普通の一軒家。初めての人にとっては、“ごま油の香り”こそが、このお店を認識する唯一の目印ならぬ鼻印である。名物は石頭火鍋で、テーブルにセッティングされた分厚く黒光りする石の鍋は迫力満点。聞けば、この鍋は石焼ビビンパでもおなじみ、角閃石という遠赤外線効果のある鍋で特注品。なんと12キロもある。

この鍋に、なみなみとごま油を注ぎ、熱々になったところで豚肉をじゃぶじゃぶ。それを引き上げたと思ったら、今後は牛肉をじゃぶじゃぶ。こうして、肉の旨みを閉じ込めるのだ。そして今度は、鳥ガラスープを鍋になみなみと注ぐ。そうして野菜や魚介、団子などを入れ、先ほどの肉も戻してグツグツと煮込む。これを卵とポン酢の2種類のタレに、好みですりおろしたにんにくや腐乳(豆腐羹のようなもの)をお好みで混ぜていただくのだが、肉は卵で、野菜はポン酢で、がお薦め。ごま油がたっぷり入っているとはいえ、まったく油っこくなく、むしろさっぱりとしてコクがあり、いくらでも食べられる危うい鍋。

そもそもは韓国・李朝の宮廷料理だそうだが、30年ほど前に台湾でブームになり、それを現地で食べた現オーナーが日本人向けに多少アレンジを加えて「石頭楼」をオープンしたのが1982年のこと。以来、「胃腸が強くなった」「風邪が治った」「1週間毎日食べても飽きない」「冬はもちろん、夏バテにも効果てきめん」などなど、常連客からの賞賛の声は数限りない。かくいう私も言わせていただくと、相当お腹いっぱい食べても、決して胃がもたれることはない。それどころか、翌朝は胃腸がすこぶる快調で、からだもすっきり軽い。そのせいなのか、しばらくすると「あー、またあの鍋が食べたい」と思うほど麻薬性があり、しかもいくら続けて食べても不思議と飽きない。「飽きない料理」こそが本物なのだなあと、この鍋を食べるたびに思うのである。
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『石頭楼(スウトウロウ)』
| 住所 | 東京都港区(詳しい住所は都合によりお教えできません) |
| 最寄り駅 | 白金台 |
| TEL | 03-3440-4500 |
| 営業時間 | 18時~23時 予約時に地図をファクスしてもらえます |
| 定休日 | 日曜・祝日 |
