
小さな贈りもの展 『粋更』
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「贈る」ということは、単なる「もの」の交換では終わらない。そこには必ず相手のことを思う気持ちがある。贈りものをすることで、お祝いやお礼やお詫びはもちろんのこと、「あなたのことを心に留めていますよ」という気持ちを伝え、関係をつないでいく。つまり、贈りものとは、人と人との心をつなぐもの。そんな「贈る」ということをコンセプトにしたショップが、奈良晒の老舗、中川政七商店がプロデュースする「粋更(kisara)」。オープン1周年を記念して、2月9日から25日まで「小さな贈りもの展」が開かれている。
「美意識を喚起できるような、いいものを発信していきたい」と語るディレクターの滝本玲子さんは、オープンから1年の間に、なんと6回もの企画展を開催。今回が7回目に当たる。「今のギャラリーはどこへ行っても同じ人。その状態をなんとか打破したい」と、つねに若い才能に目を向け、今回も、おなじみとなった木工の三谷龍二さん、陶器の村上躍さんと並んで、彫刻の上田亜矢子さんやガラスの大室桃生さんら若手作家の作品がおもしろい。「小さな贈りもの展」だけに、作品はどれも小さいけれど、のびやかで溌剌としたエネルギーを発散している。

じつはこの「小さな」というところがポイントで、「折形だと大きなものが包めないんですよ」と滝本さんは笑う。折形とは、贈りものをするときに和紙で包む礼法のことで、相手を思う心を「折る」ことで「かたち」にして見せたもの。この折形が「粋更」のメインコンセプトの支柱でもあり、「粋更」で買い物をすると、「贈りもの」は、すべてこの折形で包んでくれる。もともとは室町時代から伝わる伝統的な武家の礼法なのだが、折形デザイン研究所によってモダンにデザインされているので、洗練されていて、とても美しい。もちろん、しきたりにはのっとっているので心配無用。相手のことを思って選んだ小さな贈りもの。その心をかたちにした折形で包んで贈る。そんな贈りものがさりげなくできるって、素敵なことだと思う。「粋更」の「小さな贈りもの展」をきっかけに、「贈る」ことについて少し考えてみるのもいい。
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