
老舗ワインバーでドイツワインと野菜料理を 『ローゼンタール』
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「ドイツワインのワインバーなんですよ」。お店に連れて行かれる途中、そう知人から聞かされた私の心中は、正直、穏やかではなかった。けれど、それは杞憂に終わったというか、むしろ嬉しい発見となった。なぜなら、ここで飲んだどのドイツワインも、「ただ甘ったるいだけ」と思っていた私のドイツワインに対するイメージを、きれいさっぱり覆してくれたから。「酸がとてもキレイ」。そう店主の島田由美子さんは言う。確かにそうなのだ。果実味はたっぷりあるので、確かに甘みは感じるけれど、上品な酸とのバランスがとてもいい。ドイツワイン、けっこういいかも。もちろん、ここのドイツワインが、だ。

「ローゼンタール」は銀座にオープンして23年にもなる老舗のワインバー。ドイツワインを専門に輸入している「石橋コレクション」のアンテナショップなのだが、3年前に現在の店主である島田さんがお店を引き継いだ。この島田さんがとても素敵で、ここにやってくる理由の半分(もしかするとそれ以上かもしれない)は、島田さんに会いたいから。そして島田さんが作る料理が食べたいから。もともとワイン雑誌の編集者だった島田さんは、フランス遊学で覚えた料理をベースに、野菜や豆がたっぷりの素朴な料理を作る。

野菜は、長野県青木村に住むオーナーや相模原に住む実家のご両親から送られてくる。毎日届くこともあれば、週に2度とか3度とか、とにかくそれは気まぐれにやってくる。ダンボールを開けると、泥つきの野菜が顔を出し、ときには名前も知らない野菜が入っていることも。島田さんの料理は、それらを見てメニューを決める即興だ。島田さんは「酒飲みが作る料理ですから」と言うが、それはこちらとしても願ったり叶ったり。つまりそれは、酒飲み好みの味にできていて、当然ワインにとてもよく合う。ある晩、3人でやってきた私は、スパークリングを2本、白ワインを3本空にした(確か…)。直接買い付けているだけに値段は1本4000円からと良心的。なので、つい財布の紐もゆるみがちになるのだ。
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