フランス料理 tapis rouge

『フランス料理 tapis rouge』 華麗なるフレンチ・フュージョン。

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 北千住、といえば、ちゃきちゃきの下町のイメージがありますよね。駅周辺には焼き鳥屋と大衆酒場が並び、休日ともなれば早い時間からお父さんやカップルがコップ片手にくつろぐ光景が見られます。そこに2006年オープンしたのが、千住の街に22Fの眺望を誇る「東京芸術センター」。名画座「シネマブルースタジオ」と多目的アートスタジオ「天空劇場」、SOHOレジデンス・オフィスが入り、早くも北千住の新名所として注目を集めています。

 さらに4月、東京芸術センターには「新感覚の東京流フュージョン料理」をモティーフに、フレンチ・レストラン「tapis rouge」が登場。以前から噂になっていましたが、総料理長に東京ヌーベル・キュイジーヌの立役者、山岸一茂氏が就任したと聞いて、さっそく行ってみました。

 20階にあるレストランに着くと、店内にはお店の由来ともなった真紅の絨毯(タピ・ルージュ)が敷かれ、大きなガラスケース仕立のワインクーラーには世界各地のワイン500本以上がつねにセレクト。窓からは丸ノ内、新宿のスカイスクレーパー、東京湾、埼玉までが一望に見渡せて、夜景もグッド。ゴージャスな「ハレ」の舞台を演出してくれます。そして、山岸シェフの魂の込められた「フュージョン料理」は、一皿一皿が、こちらの期待をはるかに超えた感動の料理。フランス、イタリアのクラシック・レシピを基本に奏でられる創作料理は、色彩、味、薫りともに、じつにデリケートなハーモニーで食べるひとを魅了します。パリのフランス料理アカデミー会員であることをはじめ、数々のアカデミーから功績をたたえられ、後進の育成にも務める山岸総料理長。しかし、華麗な創作料理を支えるのは、なにより「食材」への厳しいこだわりと細やかな理解なのです。脇役のシュガートマトひとつとってみても、こんなに甘くてフルーティーなのは初めて。レストランの合間を見つけては、よりよい食材をひとつひとつ求めて、山岸さん自ら生産者のもとに足を運びます。「tapis rougeでは糖度が10度以上の有機野菜しか使いません。素材をひき立てる大事な要素は塩ですね。野菜にはアドリア海の、かなりストレートに味のだせる塩を使いますが、肉の白身、魚には、満月の時にだけ天日干しする博多の焼塩を。赤身にはモンゴルでとれる4億年前の岩塩を使っています。この塩は甘味が豊かでミネラルが多く、赤身肉やソースをとてもまろやかにしてくれるんです。つねに3段階の塩を使い分けながら、素材のおいしさをひき出していきます」。どんな料理とも調和し、融合する創作料理のスタイル「フュージョン」は、ニューヨークで確立されたスタイルだと聞きました。では、山岸さんの考える東京のフュージョンとは?「いま流行している創作料理に欠けているのは、しっかりした料理のベースなんです。見た目は斬新でユニークな品も、味はピンとこないものが多い。たとえば和食のベースとなるのは〈だし〉ですが、わたしも〈フォン〉(フレンチで言うだしのこと)をしっかりつくります。ほんとうにおいしいフォンは、あらゆる食材をつつみ乗せて、おいしく溶け合わせることができるんです。正統フレンチですと、フランスの食材でないと駄目だとよく言われますが、そう限定するのはかえって料理の視野をせまくします。限界をとりはらい、味、薫りともに、多種多様な食材をあつかえるフォンとアンサンブルがフュージョンのよさですし、思いもよらなかった食材のおいしさに出会えますね。」

 東京料理の新たな流れが、北千住のフレンチ「tapis rouge」からはじまる予感がしました。


生ウニ

シャンパンなどの冷たい食前酒といただくアミューズ・ビュッシェは「生海胆とキャビア」。北海道の赤海胆は今が旬。スプーンにパリの伝統的なお惣菜「茄子のキャビア仕立」を乗せて。クラッシクとモダンの競演。

黒豚のブレゼ

ジューシーな九州黒豚を主役に。題して「フレッシュ・ホワイトアスパラガスとモリーユ茸のエテュベ、黒豚のブレゼ、ペルシャード、私好みのひと皿」。甘やかなポルト酒と旬のモリーユ茸のフォンがえも言われぬハーモニーを奏でる。健康食としても配慮されている。


活オマール

tapis rouge会心のアンサンブル。「活オマール海老と花ズッキーニのハーモニー、色々な薫り」。淡い味の新オマール海老だからこそできる絶妙の「アロマート」(香りの料理)。花ズッキーニの繊細な薫りと味わいが海老とともに口中に広がってゆく。

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夜のコースは3,800円~9,800円の4種。シェフのスペシャルメニュー15,000円(要予約)、有機野菜とハーブを多く使ったスペシャル・ヘルシーメニュー2,500円(要予約)など、多様なニーズに応えている。ランチコースは1,800円、2,900円、4,800円の3種。会食、パーティーにも最適。


フランス料理 tapis rouge

『フランス料理 tapis rouge』

住所東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター 20F
最寄り駅JR 北千住駅
TEL03-5284-1590
営業時間11:30〜14:30(全席禁煙) 18:00〜22:00(全席禁煙)
定休日月曜日
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【Release】 06.05.19

【取材文】 石田瑞穂

【写真】 山下裕司(クラッカースタジオ)

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