antiques tamiser

『antiques tamiser』 西洋骨董店の情景

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 素敵な西洋骨董のお店が恵比寿に引っ越してきました。antiques tamiserさん。「骨董屋」というと、重苦しい、なんだか気難しい印象がありますが、antiques tamiserはじつに風通しのよいお店。従来のアンティークに囚われない、自由でクリエイティブな眼を持ったお店として評判です。

 店主の吉田昌太郎さんが古い滑車と錘でつくったドアをガラガラと開けて店内に入ると、そこは異邦の旅先で見つけた古道具店のよう。店内には、乳液のように柔らかい光沢をまとう17世紀オランダ・デルフトの白皿など、1600年代から1940年代にかけてのヨーロッパの古い白釉陶器を中心に、発掘品の粋美かつ繊細な古硝子のボトル、あたたかな土味のスープボウルなどが所せましとならんでいます。そこにゆったり息づいているのは、吉田さんが時間をかけてヨーロッパを巡り、選びぬいたアンティークたち。でも、よく見ると、なかには日本のものや、吉田さんの傾倒しているバウハウスのモダンデザインも含まれていて、西洋と和のもの、古いものと新しいものが互いの美を競い合っているようなのです。

「西洋か東洋かという区別はありません。ただヨーロッパへの憧憬みたいのはありますね。日本の生活から生まれた器にはない、いい意味での情景や繊細な表情が西洋の骨董にはある気がします」と、吉田さん。「たとえば古いデルフトの白皿。その皿が長く使われるうちについた、いくつもの細かな傷痕。あの「痕」のような、繊細でうっすらしたラインに魅かれます。お皿を大事に使いつづけた人たちの、想いというかな、情景が見えるんですね」と自らの表現で語ってくださいました。

 それにしても店内は、吉田さんのウィットと遊び心に充ちたディスプレイが、飾られた物と物のあいだに見えない糸を張り巡らしているかのよう。どこの子供が買ってもらったのか、それはすてきなトイ・ピアノ。昔の遊具って、こんなに美しかったのかと唸らされます。「やっぱり、遊び心って大切だと思うんです。いわゆる骨董屋の、まじめで、重いイメージは嫌ですね。骨董にだって、軽みがないと。子どものとき、自分の好きなものだけをあつめた「たからもの箱」を作りましたが、ああいう感覚は忘れられないですね」。アンティークの、つかわれて、なじんだやさしさを、吉田さんは見事な感覚で紡いでいます。


ホーロー皿

antique tamiserのメインはなんといっても「白」の器。写真はantiques tamiserのオリジナル商品「ホーローシリーズ」。オランダの古い皿を写した「ホーロー皿」(2800円)

バレーシューズ

antiques tamiserの白い柱に掛けられた子供用のバレーシューズは、それだけで詩情をたたえるオブジェになった。


糸巻き

好きな写真集の1頁に倣って積み上げた、糸巻きのオブジェ。双つならべて「見立て」を遊んでみる。

ピューターなど

白い古陶器だけではなく、店内にはピューターをはじめ、様々な古い器や道具たちが置かれている。一つ一つが個性的な姿をしていて、暮らしの情景を宿している。「一点もの」の名に相応しいセレクト。


antiques tamiser

『antiques tamiser』

住所東京都渋谷区恵比寿南2-9-8 落合荘苑ビル101
最寄り駅 JR.日比谷線恵比寿駅より徒歩5分
TEL03-3792-1054
営業時間12:00 〜 20:00
(日曜日のみ12:00〜19:00)
定休日月曜日
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【Release】 06.05.05

【取材文】 石田瑞穂

【写真】 松川智一(クラッカースタジオ)

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