沖縄のお盆
沖縄は祖先崇拝の文化で生まれた時から祖先に守られ育ってきました。そのため数多い行事の中でもお盆はメインイベントで、旧暦が息づいている沖縄ではもちろんお盆も旧暦で行われます。今年はユンジチといって旧暦のうるう年です。7月が二回もあります。旧暦では一年が354日。新暦では365日ですから、旧暦が一ヶ月足りなくなる約33ヶ月ごとに旧暦と新暦のズレを解消するため設定されたのがユンジチというわけです。二度目の旧暦7月は新暦では神無月に当たり、その月はあの世の祖先や神様は目が行き届かないので仏壇を替えたりお墓の修復、お墓の購入などに適してるといわれています。ひと月多いので結婚や子供が授かりやすいといわれ、最良の年がユンジチです。
話が逸れてしまいましたが、また今年も嘉陽家のお盆がやってきました。大正生まれの母を持つ嫁達はもうてんてこ舞いで、お盆を迎える二日前から市場に行き、当日に使う飾り物や食材の注文から準備が始まります。当日は混雑するので予約をとるとスムーズなんです。
前日はお仏壇を清め、本家なのでお客様も大勢いらっしゃるんです。なので大掃除も同時進行で、さあ〜当日ウンケー(迎えるという意味)は、また市場へ行き、予約してた食材を買いまくります。どのくらいかというと嫁三人の両手が荷物でいっぱいになるくらいです。想像できますか?戻るとすぐにウンケージューシーの準備です。ウンケージューシーとは神様やご先祖さまを迎える日の料理で、母は福飯御雑炊(ふくはんうじゅうしい)で迎えます。
二日目は親戚縁者がウヤフアーフジ(ご先祖)に挨拶に来ます。その方達の接待からお仏壇へは、10時に茶、昼食、3時のおやつ、夕食と更に忙しく、自分が食事するのを忘れるくらいです。そして三日目のウークイ(送る日)は、お昼をお供えした後こちらも実家や親戚宅へ挨拶に、夕方帰るとすぐにウークイのご馳走の準備にとりかかります。品数は9品でいわゆる重箱料理です。お墓にお供えする場合は重箱でいいのですが、お仏壇なので母はお皿に9品を並べます。そしておもちご飯と中味汁、母の得意料理のクーブイリチーが嘉陽家ウークイ料理の定番です。沖縄でもクラッシックスタイルだと思いますよ。
みんなでご馳走を頂いた後、夜10時を過ぎた頃、ウークイ儀式の始まりです。家庭によってウークイのやり方はさまざまですが嘉陽家の場合は、お仏壇の物を全部玄関へ移動し、そこでご先祖さまにクワズイモの風呂敷にいっぱいご馳走やお金をお土産に持っていってもらうのです。それを一家の男達が門まで持っていきます。その時問題が一つあり、ご馳走なので犬、猫も狙ってるんです。そのため箱に入れ、しっかりガムテープをしないと大変なことになっちゃいます。
嵐のように終わった今年の旧盆でしたがまだまだ今年の行事が終わったわけではありません。こうやって今年も幸せで健康に過ごせるんだな〜。
ウンケーの日は夕方、母と子供でご先祖さまをお迎えするのが嘉陽家の習わし。その時、子供が「いらっしゃい、いらっしゃい」と声をかけ、家の中に導きます。
ウンケーの日の飾りつけです。
お皿の上はウンケー団子。お茶碗の中の小枝はソーロフアージー(またはソーローメーシー)といって、裸足で来るご先祖さまの足を洗う物だそうです。その右隣の赤い紙が巻かれたわっかは、ガンシナーといってご先祖さまが帰るとき、いっぱいお土産を持って行くので、そのときに使うものだそうです。側にある束ねた小枝はお箸です。
仏壇の品々をそのまま玄関へ移動します。
最後に全員で手を合わせてお見送り。
お土産のお花やご馳走、果物を箱に入れ、しっかりガムテープで留めます。
嘉陽家の男達が提灯を持って玄関から門へと導きます。
【06.08.21】


