鱈のチリソース炒め
さて、今月でハルさんの「母なるレシピ」も最終回、もとい、ひと休み。みじかい間ではありましたが、お読みくださった皆さん、ありがとうございました。
先月のつづきの鱈料理ですが、今回は最後ということもあって何かおめでたい、元気のでるものを、とハルさんに頼んでみると、「チリソースの炒めものは?」とにっこりいつものように微笑んで、決定。
トマトソースに唐辛子を入れたものを一般にチリソースといいますが、タイの甘いチリソースをはじめ、いまでは様々な料理に使われるようになりました。日本人は、あの「エビチリ」が大好き。もともと台湾にチリソースはありませんでしたが、ハルさんは来日よりさき日本人の好みに合わせてチリソースをつくり、台湾でも近年はよく食べられるようになったといいます。
けれど、ハルさんの「鱈チリ」はエビチリよりおいしい。海老はもともと味も淡めで、甲殻類のためもあってか、肉にソースの味が乗りにくい。むしろ下味のついた白身魚のほうが、しっかりコクもでて、ソースも引き締まって味わえるのです。そして、なにより、鱈ならお値段もお徳。これからの季節、鍋用に買いすぎて、あるいは鍋に飽きたら、この「鱈チリ」はおすすめです。
ところで、どうして「鱈チリ」が元気のでる料理なんでしょう。ハルさんいわく、「下味のついた鱈はいつでも料理できるでしょう?(前回の「港の味、白身魚のフライ」を読んでみてください)、お母さんが遅く帰ってきても、すぐ子供たちのために手早く作れる。海老がなくてもチリソースは子供たちの好物。子供たちもお母さんも元気がでるね」中華鍋をふるいながら、細腕一本で子供たちを育てあげたハルさん。激務のあと、家に帰って見る子供たちの笑顔がなにより元気の素だった、ということですよね、ハルさん?
塩とごま油、こしょうで下味をつけた鱈の切り身。奥にあるのは、秘伝のチリソース。お店のチリソースは紹介できませんが、市販のソースを買うよりはと、家庭でつくれるチリソースを紹介してもらいました(レシピページを参照)。
下味のついた鱈の切り身にかたくり粉をまぶします。
チリソースは、ぎゃくに下味がしっかりのっているほうが美味しいよね、とハルさん。
準備OK。下ごしらえはこんなかんじ。
最初は強火で油をよく熱し、じゅうぶん油が高温になったら、すこし火を落としてじゅわじゅわ揚げる。この火加減とタイミングは、自分で体得するしかない?「鍋は調理前にじゅうぶん温めること、これが基本。すこし煙が立つぐらいがいいけれど、まあ、リラックスして、自分流に好きに揚げればいいのよ」
鱈が油のなかで「泳ぐように、泳ぐように」お玉でかき混ぜながら揚げる。あまり揚げすぎないうちに、いったん鱈をとりだし、油を切ります。
鱈から油を切っているあいだに、生姜、にんにく、葱を少量刻んでおく。ハルさんの包丁の角度に注目。
すこし油を残して捨て、そこにチリソース、さきに刻んだ生姜、にんにく、葱を入れて炒めます。
ソースができたところで、よく油をきった鱈のかたくり粉揚げを入れる。
お好みで豆板醤を少々入れてさらに炒めます。
できあがり!ハルさん、お疲れ様でした!
さらに千切りにした葱をうえにちらして。ハルさんの台湾屋台料理、「自分流に料理して、自分のものにして役立ててくださればそれでいい」と、師匠の言葉。かんたん、美味しく、安く、てばやく、栄養がある、が、主婦の友ハルさんの料理スタイル。でも、これ、台湾屋台料理の王道かも。
ハルさんのチリソースは甘さ控え目。よけいな調味料をつかっていないから、ソースがきれいに澄んでいます。詳しく知りたい方はぜひ、お店に。
普通の中華料理とちがうのは、台湾料理はみんなご飯のうえにのせてパクパク食べること。お皿もやたらと替えない。こういう気取らない、アットホームなところが、台湾屋台料理のいいところなんだなあ。
【06.11.08】


