サルデーニャ島の優しいパスタ
サルデーニャ島から帰ってきました。芳香療法を学ぶ仲間たちとの研修旅行です。マルセイユからは航路で、ゆっくりと夕日と朝日を眺め、島に着きました。芳香植物の自生地、栽培地、蒸留所などを巡り学ぶ旅ですから、洒落たスパなどのある高級リゾートとは無縁です。
昼ご飯は、いつも小さなリストランテで食べました。一度に大勢の食事をサービスすることは稀らしく、作りおきなどもってのほか、お母さん、お祖母さん総出でサラダのレタスを千切り、マチュドニアの果物をむいていました。洗面所に立った折、目撃しました。テラスのテーブルには、薄くのばして焼いたお煎餅のようなパン、カラザウがどっさりと重ねられ、私たちはワインを飲みながらそれをつまみ、微風に吹かれ幸せな気分です。
毎日、いろいろな形と味のパスタを食べました。量が多いので、喜んで完食すると後が続きません。かしこく調節するようになる頃、このボッタルガのパスタが登場しました。
眩い光の中で植物に触り、刈り取りをした身には、浸み透る優しい一皿でした。細めの麺はこの日少し軟らかめ。ボッタルガ(からすみの様なもの)と、オリーブ油と少々の塩。緑の香草など散らさず、きっぱりとそれだけです。小鉢に入ったボッタルガのパウダーをさらに振りかけ、全員完食です。
先程のカラザウは、サルデーニャの小麦粉で作られ、ボッタルガも土地のもの。蒸留の農家では、自家製のサフランを分けてもらいました。上等の香りです。この島は長寿の島と聞きました。確かにオジイさん、オバアさん、かくしゃく。エステ好きのセレブなんか見たことない。あまり買い物をする時間などなかったけれど、帰路、経由したコルシカ島で野生の栗の粉、ペースト、蜂蜜などもトランクに詰めました。
今日のメニューはサルデーニャのゆっくりとした空気が少々です。島に生きる薬草たちと、流れる時間を身体に憶えさせて帰りました。蓼科のリズムなどひと味入れて、その内またお届けするつもりです。
07.06.25
【文】萩尾エリ子 【写真】萩尾エリ子





