Green Soul Food

うちの石焼き芋

うちの石焼き芋

色づいた木の葉は舞い降りて、小道を、草地を、美しく覆います。乳白色の朝靄は、冷えた上等のワイン。春とは違う切なさが、ほんの少し、身の内に渡ります。

スタッフだったKikuちゃんの得意技、「壊れたやかんの石焼き芋」を作りました。パンの学校を出た彼女にかかると、お饅頭もビスコッティも、とびきりの一品です。実家はお米屋さん。米の研ぎ方、炊き方は並ぶものなし、ぴかぴかの大きなおむすびは、私たちをいつも幸せにしてくれました。彼女のまわりからは、工夫した美味しいものがたくさん生まれました。

この焼き芋も、かなりの上位に入ります。庭の染色用のコンロから、香ばしい匂いが漂って、仕事をする私たちは、期待に胸ふくらませ、うきうきしたものです。さあ、ほっこり、ほかほかを食べよう。慌ててのどに詰まらせぬよう、バターをたっぷり添えて。今回のアロマテラピーのレッスンのおやつも、このお芋です。その辺の石をたっぷり入れた、年季の入った黒いやかんと、最後の花を咲かせる庭の千草たち。この焼き芋を3倍くらい美味しくしているようです。

《石焼き芋》

〈材料・道具〉
・太ったお芋 1~2本
・適当な小石 容器の半分から1/3
・新聞紙かキッチンペーパー(うちでは未晒しキッチンペーパー)
・アルミホイル
・使い古しの厚手の鍋(うちは古いやかん)

〈作り方〉
どちらかといえば、戸外向きの調理法です。
(1)大きなお芋は適当な大きさに切って、水に濡らした紙でくるみ、更にアルミホイルで包む。
(2)小石を入れて熱した鍋にお芋を並べ、ふたをする。
(3)中火から弱火にして約1時間、途中で石に少々の水をかけると蒸気が出て、ふっくらします。外皮をパリッとしたかったら、蒸気はなしで。

06.10.23

【文】萩尾エリ子  【写真】原田留里

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